自宅で始めるなら、薄茶から。
自宅で抹茶を飲んでみたいと思っても、検索して出てくるのは「抹茶セット」ばかりで、とりあえず買って試してみようというには高く感じて尻込み…している方はいませんか。私がそうでした。茶道を始めてからしばらく経ってもそんな状況だったので、茶道未経験であればなおさらなんじゃないかと思います。
とりあえず最低限の道具を用意しましょう。そしてお菓子を用意して、とりあえず抹茶を飲んでみたいという方はまず、「薄茶」を点ててみましょう。
Contents
薄茶とは。濃茶との違い
薄茶(うすちゃ)、お薄(おうす)と言います。
旅先でお抹茶体験をしたことのある人は経験があると思いますが、一般に想像する、茶筅をシャカシャカと振って泡を点てた抹茶のことです。
薄茶のほかにも抹茶の飲み方があります。たくさんの抹茶と少しのお湯で練った抹茶を「濃茶(こいちゃ)」と言います。茶道の世界では「お茶」といえば濃茶のことをいい、茶事・茶会はすべてこの濃茶を美味しく飲むために行われます。
一般にはほとんど見ることはないのには理由があります。濃茶は現代のちょっと潔癖で、仲の良い友達以外とはあんまり交流したことがない人たちにはかなりハードルの高い飲み方を要求するお茶だからです。
まず濃茶は、2~4名で回し飲みします。自分が飲んだら、用意しておいた濡れティッシュのようなもの(紙小茶巾といいます)で飲み口をぬぐい、次の人に回します。モタモタしているとどんどんお茶が冷めていき、それに伴ってトロトロの美味しいお茶だったのがドロドロに、飲みたくて茶碗を傾けてもなかなか落ちてこない…といって焦ることになります。しかもたーくさんの抹茶をすこーしのお湯で練るので、カフェインがすごい。妊婦さん要注意レベルです。眠れなくなります。
などと言いますが、これが、とても美味しいんです。知ってしまったらもとに戻れない。これが武士文化の中で生まれた抹茶の本来の飲み方なんだなと思うのです。
妊婦だったけど、飲みましたもんね。妊娠7ヶ月まで正座で着物で茶道してみましたけど、みんなから心配されたけど自分がやりたいと思ったらできるものです。
さて、タイトルは「薄茶から」と言っているのに濃茶愛を語りましたが、自宅で、全く茶道に触れたことのない人が濃茶をするのはやはりハードルが高いですね。コーヒーを自宅で淹れようと思うのに、ラテアートを全く見たことがないのにやってみようとするのと同じです。普通にドリップコーヒーを入れるのとは用意する道具も違いますよね。それと同じ、見たことないのにどうやってやるのと。
その点、薄茶はよく見るフワフワの泡が立ったあれです。茶道の世界でも、薄茶は濃茶を飲み終わった後にリラックスした雰囲気で楽しむお茶です。気負わずに行きましょう。
用意するもの
作法抜きで抹茶を点てるのに必要なのは、以下の5つだけです。
- 抹茶
- 茶碗
- 茶筅
- スプーン
- 茶こし
おいしい薄茶の点て方
作法の必要はなくても、どうせなら美味しい抹茶を飲みたいですね。
- 道具を用意する
- お湯を沸かす
- 茶碗にお湯を入れて、茶筅をシャカシャカふる
- お湯を捨てる
- 抹茶を濾して茶碗に入れる
- お湯を入れてシャカシャカする
最初のお湯を入れて茶筅を振る作業は、紅茶を淹れるときにもしますね。茶碗と茶筅を温めるのは、お茶を美味しく飲むために地味に重要なひと手間です。あくまで美味しく飲むためですから、他の作法的なことは一切無視しつつ、美味しさを追求していきましょう。
「自宅で薄茶」には和菓子も必要ですね
地元の和菓子屋さんに入ったことはありますでしょうか。
最近はコーヒーとも合う和菓子がたくさんありますが、やはり抹茶との相性を楽しんでほしいものです。
こちらは山形市の和菓子屋さんのものです。
女性で、おひとりで、個性のあるお店を構えるすごい方です。
和菓子メーカーで働く女性職人さんは結構増えてきているのだそうです。独立して仕事をしている方たちは自分のことを「職人」、メーカーで修行していたときのことを「サラリーマン」だった、と言い分けているのを聞いたことがあります。それだけ仕事内容が違うのでしょうし、独立してからの厳しさと楽しさを感じているんだと受け止めました。
30代、40代の彼女たちが入社したころはもっと女性の数が少なくて苦労した話も聞きました。だから近いところで商売している人たちはなんとなく仲間意識があるように見えます。
大きい和菓子屋さん、由緒ある和菓子屋さんもいいのですが、こういったところから買って応援するのも楽しいのです。薄茶がリラックスしたお茶なのですから、和菓子だって自由に選べばいいと思います。「こんなところから買ったんだよ」という話がお茶の席にはとっても重要なんですから!
作法は必要ない。けれど知っておいても良いかな、と思ったら
オンラインでも茶道のレッスンをしています。対面レッスンから始めたので、オンラインは実はまだきちんとしたプログラムができているわけではなく生徒さんの要望に応じてレッスン内容を決めている感じです。
もう少しペースができてきたらおうち茶道のポイントを絞ったレッスンを作りたいと思っています。畳で正座で行う茶道とも違うし、ホテルなどでラグジュアリーに味わうテーブルスタイルの茶道とも、実は違うことが多いのです。おうちでするリラックスの茶道には、それなりのコツがありますからね。
オンラインならではですが、遠く離れているからこそ、お互いの近所にある美味しい和菓子屋さんのお話で盛り上がたいですね。
もしご興味があればこちらからお問い合わせください。
今ならご要望に応じてレッスンできます。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。