講師プロフィール

鮎川 公美(Kumi Ayukawa)

  • テーブルスタイル茶道家
  • おうち茶道”Ochagoto”主宰
  • 椿の会テーブルスタイル茶道認定講師

【経歴】

裏千家教授に師事。
東京→ロサンゼルス→六本木→山形にて稽古。
妊娠・出産を経て、1歳児育児中にテーブルスタイル茶道ディプロマを取得。
都内にて経験を積んだのち、山形県鶴岡市にて独立。

【メッセージ】

こんにちは、Kumiです。

平凡な生まれのわたし、「本物の世界」を知る

田舎で育ったわたしにとっては、茶道は「母が花嫁修業でしていたもの」でした。
大家族の家は、丁寧な暮らしや上質なものとは縁がなく、センスや美意識を知らずに育ちました。

就職した会社も同様、22時まで働いてから飲みに行くような生活をしていたことも。
何かを学びたいけれど、何を知ればいいのか分からない。
必要に迫られて勉強するのではなく、学ぶたびに自分が変わっていけるような勉強はないのだろうか。

結婚。働きながら夫の義両親の住むインドへ旅行に行きます。
「インド」で想像する、ガンジス川で沐浴といった話ではありません。
本物の事業家、本物の大富豪のおうちにお招きいただく機会があったのです。
階段の踊り場にグランドピアノとソファセットがあるような家で、世界的に有名なインド人画家の絵画が飾ってありました。
ご家族はみんな人当たりのいい、素敵な方たちでした。気取ることなく、場を盛り上げるのが上手で、緊張はしたものの変にかしこまったりすることのない、温かなおもてなしを受けました。

これが本物の世界かと思いました。
現実離れしすぎていて、夢のようでした。

茶道の近くにいる=「本物」に触れている

ほどなくして茶道を習い始めます。
ここには、日本の「本物の世界」がありました。
普段のお稽古では安価なものを使っていても、高名な先生のもとへ稽古に行き茶事へ参加すれば、江戸時代の茶碗が出てくる世界です。

このとき、「自分の五感を開放する」という学びがあることに気づきました。
文章を読み知識を得たときとは圧倒的に異なる学びです。パソコンと向き合い、リアルな体験ができない日々を、もっと動物的に揺り戻してくれる楽しさがありました。

もっとカジュアルに、もっと開かれたものに

この気持ちを伝えたいと思いつつ、茶道と聞けば「マナー講座」「子どものお受験」「シャカシャカするやつ」「何か聞いて答えるやつ」といった感じです。これを何とかしたいと思ったのが講師となった理由です。

参考にしたいのは、コーヒーとラグビー。
その日の気分によってコーヒー豆を選ぶような抹茶の飲み方ができたら。
「にわかファン」がワールドカップを盛り上げたラグビーのように難しさの向こう側にある面白さをみんなのものにできたら。

家庭文化を親から上手に受け継げない世代ですが、学び直して次の世代に伝えるのに茶道ほど有用なものはないと感じています。丁寧な暮らしや上質なものにあふれているからです。
とはいえ、丁寧な暮らしは結構手間がかかります。できる範囲で「自分や家族を粗末にしない暮らし」を始められたらそれが第一歩ではないでしょうか。
衝撃を受けたインドの経験から、わたしのコーディネートは異国情緒を帯びるものも多くあります。「自由なスタイル」を入口にして、茶道の世界に触れてくださったら嬉しいです。

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